新型コロナウイルス感染症が、5月8日より感染症法上2類から5類への移行が決まりました。この移行によりどのような変化があるのか?まとめてみました。
① 医療費 全額公費負担から段階的に自己負担へ
新型コロナウイルス感染症の病名がつくと全額公費負担でした。PCRの検査も抗原検査も無料、診察、治療も無料でしたが、今後徐々に、風邪などと同様に医療費の負担が必要になってくると思われます。
② 行政の役割 新型コロナウイルスなどの情報提供が中心になります。
今までは入院勧告したり、大規模イベントの収容人数の制限を行いましたが、今後は情報提供にとどまります。
③ 医療機関支援 病床確保料、診療報酬加算などが段階的に廃止へ
クリニックなどでは、新型コロナウイルス感染者を診察したり、検査する時、防護服などの感染対策が必要になります。このため1人当たりの診療報酬が高く設定されています。これらの医療機関支援が近いうちに廃止になると思われます。
④ 入院調整 保健所の調整から病院間の調整へ。
これまで、入院治療が必要な時、保健所が重症度に応じて病院を指定していましたが、これからは、病院間での調整になります。
⑤ 感染者数の調査 全数把握から定点観測へ
定点観測は、日本中に約5000か所の定点があり、1週間に1度報告します。これを集計して推定値として報告されます。報告される感染者数は約1週間の遅れが生じます。
⑥ ワクチン代 全額公費ですが、自費になる可能性もあります。
自費なると、接種率がさらに低下する懸念があります。政府が今後どのよう判断するのか?今のところ公費で行くのではないか見られていますが。
感染症法上の決まりを2類から5類に変更するのは簡単ですが、コロナウイルスそのものが変化するわけではありません。感染力もつよいし、コロナに感染した患者さんが増加すれば医療の逼迫も起こります。感染者の中には持病が悪化して命に係わる状況になります。国としては、5類になれば、季節性のインフルエンザと同じで、国民1人1人の自己責任が中心になり、治療費も負担が多くなるなどの問題が出ます。慎重な5類への移行が望まれます。