診察のご予約はこちらから

トピックス TOPICS

長引く新型コロナウイルス流行が医療に及ぼす影響

現在(9月30日)、世界の新型コロナウイルス感染者数は3000万人を超え、特にアメリカ、インド、ブラジルで感染者が多く、この3か国で世界の総感染者数の40%を占めています。感染による死者は100万人に達しました。
一方、日本では第2波が起こり、この第2波も終息傾向にあると言われていましたが、“下げどまり“状態と表現されています。1日あたりの感染者数が500人前後で停滞し、なかなか減少しません。
日本の新型コロナウイルス感染者数は8万人、死者は1500人以上になりました。

医療現場の状況はマスコミでいろいろ報道されていますが、第1に外来患者数の大幅な減少です。
耳鼻科、小児科で減少が目立つと言われていますが、本院でも例年と比べて30-40%減少しています。
ワクチン接種の減少も懸念されましたが、今のところ比較的、順調に接種されています。小児科学会もワクチン接種を遅らせないよう勧告を出しました。

外来患者数の減少は、患者さんがコロナの感染を恐れて受診を控えてみえることだけではないようです。
実際に感染症そのものが減少していると感じています。
昨年は夏風邪の1つ手足口病が大流行しましたが、今年は前年の100分の1に減っているとの報告があります。
もう1つの夏風邪ヘルパンギーナも今年はほとんど見られませんでした。小児はウイルス感染症が熱の原因として最も多いのですが、今年はコロナウイルスに圧倒され?その他のウイルスが抑え込まれている可能性もあります。
もう1つの可能性は、コロナウイルス感染防御のためのマスク、アルコール消毒、外出の控えが、他のウイルスの流行を抑えているのかもしれません。
今年、北半球が夏であった時期、南半球は冬でした。
インフルエンザの流行は小規模であったと言われています。
また、9月時点での日本のインフルエンザ感染者数は1桁で、去年は3000人から5000人でした。約1000分の1になります。
新型コロナウイルスによって、その他のウイルスが抑え込まれているのか?
世界の人たちがコロナウイルス感染症を避けるために行っている防御がその他のウイルスの広がりを抑制しているのか?近いうちに結論が出ると思われます。

追加ですが、
現在、多くのクリニックは熱発患者さんに、神経を使っています。
クリニックによっていろいろと思われますが、来院時にインターホンで、発熱があることをしらせ、いろいろ問診をされ、診察室へ入るか、感染症のための部屋に行くか。
時には自分の車の中で診察を受けるような状況もあるようです。コロナウイルスで汚染されるのを心配しています。
熱発患者さんを熱があるからと、診察を拒否することは医療提供側の“応召義務違反”となります。
自分のクリニックで診察をしないと決めた場合は、どこが診察してくれるのか、どうするべきか、適切な情報提供が必要です。