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インフルエンザA型と風邪

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申しあげます。

 

2024年暮れインフルエンザA型の流行があり、現在も続いています。新型コロナウイルス、マイコプラズマと3つ巴の流行です。中でもインフルエンザA型は定点当たり30を超え警報レベルとなりました。1クリニック当たり、1週間に30人以上がインフルエンザA型と診断されたことになり、1日当たりでは5-6人となります。インフルエンザA型は“臨床的に”風邪と区別するのは難しいことです。“臨床的に”とは患者さんの訴え(主訴)や、熱発の経過、家族や学校の感染状況、それに加えて診察所見(胸部の聴診、咽頭所見、腹部の触診など)から診断することを言いますが、風邪と区別することはできません。しかし、インフルエンザ顔貌という言い方があります。ときに一見して、インフルエンザとわかることがあります。熱が39-40度と高く、顔が紅潮し、元気がなくしんどそうに診察室に入ってくる年長の子で、インフルエンザ顔貌を感じることがあります。看護師とも意見が一致し、医者の勝手な思い込みではないと思っています。

一方でインフルエンザの症状は多種多様です。先ほど熱が高いと言いましたが、必ずしもそうではありません。37度度台でもインフルエンザの検査をすると、陽性に出ることがあります。原則38度以上の患者さんのみインフルエンザの検査をしていますが、学校や家族での感染者の状況によっては検査をしますが、陽性に出ることがあります。しんどそうにする患者さんも見えますが、元気そうな患者さんも見えます。ある意味では多くの病気はすべて、重症から軽症まで様々です。一般的な風邪も同じことが言えます。

インフルエンザと風邪の一番大きな違いは、感染力にあると思われます。風邪は毎日規則正しい生活をしている人は容易に感染しませんが、インフルエンザはウイルスが近くにいると感染してしまう傾向が強くなります。風邪に感染するのは本人の問題が大きいのですが、インフルエンザはウイルスの感染力の問題になります。麻疹、流行性耳下腺炎(おたふく)もインフルエンザに近い感染力があります。

最後に、新しいインフルエンザワクチンが出ました。点鼻型ワクチンです。注射の好きな小児はいません。去年はあまり普及しなかったのですが、今年はかなりつかわれると思われます。

もう1つ、インフルエンザ治療薬ですが、もっとも使われているのが散薬のタミフルです。2,3年前から錠剤で、1回服用すればいい薬(商品名:ゾフルーザ)が出ました。インフルエンザの治療薬の種類を患者さんに説明すると錠剤が服用できる患者さんは、ほとんどこれを選択されます。5日間服用が必要なタミフルに比べ、1回で済むメリットは大きいようです。

選択肢が多いのは治療薬であれ、ワクチンであれ患者さんにとっていいことです。