子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus: HPV)感染症により発症します。性交渉などによって感染すると言われていますが、ワクチン接種で予防できる疾患です。しかし日本ではこのワクチン接種が進んでいません。ほとんど知られてないのが現状です。
2013年4月に子宮頸がんワクチン接種が推奨され、定期接種として始まりましたが、副作用がマスコミで大きく取り上げられ、数か月でワクチン接種の推奨が中止となってしまいました。その後2022年4月に再度ワクチン接種の推奨が再開され現在に至っていますが、この9年間の空白が、このワクチン接種が進まなかった大きな原因と思われます。
キャッチアップ接種という聞きなれない言葉がタイトルになっていますが、これは空白の9年間に公費でHPVワクチンを接種できなかった人たちに再度ワクチン接種の機会を提供する制度です。平成9年4月2日から平成20年4月1日までの間に生まれた女子(現在17歳から27歳の方)が対象となります。接種方法は3回接種となります。1回目の接種から2か月後に2回目を、1回目から6か月後に3回目の接種となります。従って遅くとも今年の9月に1回目の接種をしないと、3回目が来年の3月になりますので、3回すべてを公費で接種できません。
最近テレビなどでも宣伝されていますが、9月が迫っているからです。西尾市保健センターに聴きましたが、来年の3月までに3回接種を完了できない人は、1回接種でも、2回接種でも1回分、2回分は公費で援助が出るとのことでした。9月に1回目の接種ができなかったとしても1部自費になりますが、接種をしたほうが費用は少なくてすみます。自費接種となると医療機関で違いはありますが1回分25000円ぐらいになり、3回すべて接種は初診料など加えると10万円ぐらいといわれています。
子宮頸がんは日本では毎年11000人が罹患し、2900人が亡くなっています。
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんばかりではなく、肛門がん、男性の陰茎がん、中咽頭がんやがんではないですが、性病の尖圭コンジローマなどの予防にも効果があると言われています。
HPVワクチンの最も普通の接種時期は、12歳になる小学校6年生の4月から16歳になる高校1年生の3月までになります。15歳以下の時は2回接種、15歳以上は3回接種です。
接種は小児科、産婦人科、内科で行われています。電話で予約できます。がんに罹患することがワクチンで予防できるなら、これほどいい方法はありません。是非接種を受けてください。今のところ女子のみが対象になっていますが、近いうちに男子も対象になってくると思われます。