ワクチンの変更点とワクチンの筋肉内接種
今年の4月から4種混合ワクチン(破傷風トキソイド、ジフテリア、百日咳、不活化ポリオを含む)の接種時期とおたふくワクチンの料金援助など、1部変更がありました。
今まで、4種混合ワクチンの接種時期は、生後3か月、4ヶ月、5か月の3回接種でしたが、4月からは1か月前倒しされて、生後2か月、3か月、4ヶ月の3回接種となりました。ヒブ、肺炎球菌ワクチンと同じ日に3回とも接種できるため、1回医療機関への受診回数が減少します。ワクチンスケジュールを作る医療側も簡便になりました。
もう1つはおたふくワクチンです。このワクチンは今も任意接種で、クリニックによって違いはありますが、1回6000円前後かかります。4月から西尾市の事業として、2000円の援助が出ることになりました。時限的な事業で、1年間で終了します。来年も延長される可能性はあります。
もう1つの話題はワクチンの筋肉内接種です。海外においては、生ワクチンを除く多くのワクチンは、原則筋肉内接種で行われています。複数ワクチンを同時に接種する場合、または
新しい混合ワクチン、アジュバントを含んだワクチンは筋肉内接種が標準的接種法となっています。その理由は、筋肉内接種が皮下接種に比べ、局所反応が少なく、また、免疫原生は同等か、それ以上であることが知られているからです。
日本では1970年代にワクチン接種や抗生剤の筋肉内接種が行われ、大腿四頭筋拘縮症が多発しました。この反省から、以後皮下接種を優先してきました。この影響で小児のワクチンはほとんどが皮下接種で行われてきました。
しかし、ここ2-3年で新型コロナワクチン接種が筋肉内接種で行われ、子宮頸がんワクチンも筋肉内接種で行われています。日本の医療者も筋肉内接種に慣れてきました。
徐々に、小児のワクチン接種が筋肉内接種へ変わっていく可能性があります。